麻独特の軽さと
通気性の良さ、
さらりとした肌触り
能登上布の特徴
能登上布は麻糸を
用いた手織の織物で、
麻独特の通気性の良さや
軽さに加え、さらりとした
肌触りがあります。
美しさの裏にある長い経験と熟練した技術。
能登上布は麻糸を用いた手織の織物で、麻独特の通気性の良さや軽さに加え、さらりとした肌触りがあります。
細やかな絣(かすり)模様が特徴で、絣の種類には亀甲(きっこう)、十字、 蚊絣(かがすり)、井桁(いげた)などがあり、櫛押捺染(くしおしなっせん)や丸形捺染(まるがたなっせん)などの技法で染め分けた絣糸で、経緯(たてよこ)の柄を合わせながら織り出します。
一幅(約38~42cm)に60から120もの絣が入り、 絣が細かくなるほど仕上がった製品は高価となります。また、男物・女物によって絣技法や色を使い分けるのも特徴です。
ひとつひとつ丹念に柄を合わせて作りあげる上質な麻織物、能登上布。上布の良さは麻の糸質もさることながら、その絣(かすり)にあります。細く美しい十字が組み合って素朴な模様を織りなし、上布の持つ涼感を一層引きたててくれます。
絣づけは糸の先染めが大きな特徴であり、その工程として板締(いたじめ)・櫛押し・丸型捺染などの技法がありますが、いずれも長い経験と熟練した技術が必要です。 特に板締は、板の面に筋を彫り凹凸状にして糸を挟んで染め、絣糸を作るもので、この木型を作るのに1ヶ月から2ヶ月以上もかかります。
根気とかなりの正確さが要求される
製品の図柄には古さを感じさせない斬新な趣がある能登上布。織りの準備や織る時の柄併せなど、全ての工程が繊細で手先の器用さと根気のいる仕事であり、かなりの正確さが要求されます。
明治40年には皇太子殿下の献上品に選ばれた(中能登町能登部下乗念寺目録より)、伝統ある「能登上布」は今、いつの時代にも日本人の憧れであり、誇りであります。悠久の和美を追い求め、その創造に熱い心を燃やしています。